弊社研究公募に参加された先生が2023年6月にYoung Investigator’s Award最優秀賞を受賞しました!

2023年7月10日

2023年6月に行われた第59回日本循環器病予防学会学術集会において、弊社研究公募を通じてDeSCデータベースを用いてご研究された、東北医科薬科大学 佐藤 倫広 先生を筆頭演者とする学会発表が「Young Investigator’s Award最優秀賞(第13回日本循環器病予防学会予防医学賞)」を受賞しました。

大変おめでとうございます。

 

【東北医科薬科大学 佐藤先生コメント】
高血圧が身体に良くないとわかってから100年以上が経過し、二次性・難治性といった特殊な状態でなければその治療法は今やほぼ確立しているといっても過言ではありません。しかしながら、医療従事者が十分に治療しないために血圧コントロール不良の状態に陥っている、いわゆる「医療の惰性(Clinical inertia)」と呼ばれる状態が極めて多いことが問題視されています。つまり、多くの血圧コントロール不良の原因は医療従事者の責任ともいわれており、日本のみならず世界的にもそういう状況が続いています。私はこの状況の是正に使える研究データを出せないかと常々考えていました。

そこで出会ったのがこのDeSCヘルスケアデータです。DeSCヘルスケア株式会社が保有するデータには契約が結ばれている健康保険組合(健保)・国民健康保険(国保)・後期高齢者医療制度のデータが含まれています。今回の研究では74歳未満の健保・国保のデータに焦点を当てています。ビッグデータといえる大きさのレセプト情報の処理が必要なうえ、母集団を想定したデータの解釈には慎重にならなければならないことから妥当な結果を出すための試行錯誤を続けてきました。その中で、今回報告した成果が評価されたことは大変光栄に感じています。この結果では、高血圧薬物治療の不十分な状況と共に、十分な薬物治療がいきわたったときに現在の治療中高血圧コントロール不良の約40%が解消される可能性が試算されました。医療従事者の皆様も、高血圧が循環器疾患の最大のリスク要因であることを意識して、より一層、適切な治療を進めることが必要と考えられます。

データ利活用の観点では、DeSCヘルスケアのデータは良くクリーニングされていることから、非常に扱いやすかった印象です。今後もDeSCヘルスケアのデータの蓄積が続く可能性を考えると、リアルワールドにおける薬剤の有効性や安全性を検討するための一つの有力なデータベースになるのではないでしょうか。今後のデータ蓄積により、対象となる皆様の長期予後を捉えるデータがあれば、より多彩な解析ができると感じています。個人的には、血圧関連のパーソナルヘルスレコードとつながれば、世界を驚かせるような研究成果が出るのではと考えています。想定する母集団の特性を意識する必要は常にありますが、今後もDeSCヘルスケアデータの利活用の幅は広がっていくものと確信しています。私もこのようなデータをご提供くださった皆様への感謝を忘れず、解析を続ける所存です。

 

今回のご研究について、下記に概要を掲載しております。
https://desc-hc.co.jp/archives/publication/0066

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