SGLT2阻害薬により下肢切断は増えるのか:real worldにおけるコホート研究

2022年5月13日

■ 学会名
第65回 日本糖尿病学会年次学術集会

■ 発表日
2022/05/13

■ 筆頭演者
紙谷史夏
奈良県立医科大学附属病院 糖尿病・内分泌内科

■ 共同演者
西岡祐一¹,²、池茉美香¹、新居田泰大¹,²、玉城由子¹、小泉実幸¹、中島拓紀¹、毛利貴子¹、
久保慎一郎²、明神大也²、桒田博仁¹、榑松由佳子¹、岡田定規¹、野田達也²、今村知明²、高橋裕¹

1)奈良県立医科大学附属病院 糖尿病・内分泌内科 
2) 同 公衆衛生学講座

■ 発表形態
口頭

■ 要旨
CANVUS研究でカナグリフロジンによる下肢切断リスク増加が報告され、欧米ではSGLT2Iによる下肢切断リスクを警告されたが、十分なエビデンスはない。
今回商用レセプトデータベースDeSCに含まれる糖尿病薬処方のある患者を対象に、SGLT2Iによる下肢切断リスクについて解析した。
結果、SGLT2I投与群全体では大切断が少なく(HR0.64(0.45-0.90))、SLGT2Iの種類差はなかった。また、SGLT2I投与群全体では小切断は少なく(HR0.55(0.42-0.73))、種類別ではダパグリフロジンとカナグリフロジン投与群は小切断が少なく、他のSGLT2Iは差はなかった。

本研究結果からSGLT2Iによって下肢切断リスクが増加しない可能性が示唆された。
下肢切断の高リスク患者に対してSGLT2I処方を控えた結果の影響として選択バイアスが生じた可能性を含めて、今後さらなる検討が必要である。