抗甲状腺薬による無顆粒球症の臨床的研究:レセプトビッグデータを用いた疫学研究
2022年6月2日
■ 学会名
第95回日本内分泌学会年次学術集会
■ 発表日
2022/06/02
■ 筆頭演者
紙谷史夏
奈良県立医科大学 糖尿病・内分泌内科学
■ 共同演者
西岡祐一¹,²、中島拓紀¹、久保慎一郎²、明神大也²、榑松由佳子¹、岡田定規¹、野田達也²、今村知明²、高橋裕¹
1)奈良県立医科大学 糖尿病・内分泌内科学
2) 同 公衆衛生学
■ 発表形態
口頭
■ 要旨
【目的と方法】
抗甲状腺薬の種類、用量別に白血球減少症、無顆粒球症発症率など臨床的特徴、無顆粒球症発症までの期間と無顆粒球症発症後のバセドウ病治療の実態を明らかにする。2014年4月から7年間のレセプトデータDeSCに含まれる344万人を解析。
【結果と考察】
抗甲状腺薬による無顆粒球症発症リスクは71日目まで(9.2/1000人年)明らかに高く、以降は減少するものの(1.8/1000人年)少なくとも6年間以上持続することが明らかになった。これらの結果からは、抗甲状腺薬開始時は特に開始71日目までが注意を要するが、以降も無顆粒球症の発症リスクを念頭におく必要があると考えられた。