1型糖尿病発症リスクにおける環境因子と遺伝因子の定量化の試み:レセプトビッグデータ解析

2022年5月12日

■ 学会名
第65回日本糖尿病学会年次学術集会

■ 発表日
2022/05/12

■ 筆頭演者
西岡祐一¹,²

1)奈良県立医科大学 公衆衛生学講座
2)奈良県立医科大学附属病院 糖尿病・内分泌内科

■ 共同演者
森田えみり²、竹下沙希¹,²、新居田泰大¹,²、津川峻輔¹、玉城由子¹、小泉実幸¹、紙谷史夏¹、中島拓紀¹、
毛利貴子¹、桒田博仁¹、榑松由佳子¹、岡田定規¹、久保慎一郎²、明神大也²、野田龍也²、今村知明²、
高橋裕¹

1)奈良県立医科大学 公衆衛生学講座
2)奈良県立医科大学附属病院 糖尿病・内分泌内科

■ 発表形態
口頭

■ 要旨
1型糖尿病において発症リスクには人種差があり遺伝因子・環境因子の両者の寄与が存在する。既存研究の家族歴の多くは自己申告に基づくものであり、情報バイアスの影響や精度の問題が存在する。
また生活習慣は家族内の環境因子に強く影響され得る。本研究ではレセプトビッグデータを用いて、保険の加入者全体を対象とし家族の情報についてもレセプト情報の解析から得ることによって、課題の克服を試みた。
1型糖尿病発症リスクは同胞に1型糖尿病患者がいる場合では66倍と非常に高く、遺伝因子の寄与が明確に示された。今回、配偶者の肥満、高血圧、貧血、運動習慣が、本人の1型糖尿病発症に関連することが初めて示された。
レセプトビッグデータから家族の因子を解析する新たな手法を導入し、1型糖尿病発症に関連する遺伝因子と環境因子の影響を定量的に明らかにした。今回の新たな手法は他の疾患の病態解明に有用である。