BERTを用いた糖尿病治療薬における有害事象間の潜在的関連性の探索
2022年11月19日
■ 学会名
第27回日本薬剤疫学会学術総会
■ 発表日
2022/11/19
■ 筆頭演者
八重樫昇吾
慶應義塾大学大学院 薬学研究科 医薬品開発規制規制科学講座
■ 共同演者
石川 智貴¹、安藤 崇之²、原 梓³、大石尚央¹、漆原 尚巳³
1) 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 総合デザイン工学専攻
2) 慶應義塾大学医学部 総合診療センター
3) 慶應義塾大学大学院 薬学研究科 医薬品開発規制科学講座
■ 発表形態
口頭演題4(演題番号4-1)
■ 要旨
【目的】
有害事象の特有な発生パターンに基づく副作用予測の前段階として、患者情報のみから医薬品の有害事象間に特有な関連性を検出できるか検討した。
【方法】
DeSCヘルスケア及びJMDCが保有するレセプトデータベースを用いた。インスリン製剤とSGLT2阻害薬を対象薬剤とし、2005年1月~2021年8月の間の処方及び処方日の1年後以前に糖尿病の診断を有する患者を対象とした。初回処方日前にレセプトがない、又は有害事象の記録がない患者は除外した。BERTで患者情報に基づいて有害事象を分散表現化し、UMAPを利用した類似度のプロットとWard法によるクラスタリングを実施した。
【結果と考察】
インスリン製剤は98667人(平均年齢70歳、男性59%)、SGLT2阻害薬は23866人(62歳、63%)となり、BERTのprecision microはそれぞれ0.33と0.46となった。両薬剤クラスで低血糖クラスター、SGLT2阻害薬のみで薬理作用に則った性器感染症+頻尿クラスターが形成した。
【結論】
SGLT2阻害薬で既知の副作用と関連するクラスターを検出し、本技法がシグナル検出に活用できる可能性が示唆された。