診療報酬請求情報データベースを用いた、妊婦における抗精神病薬使用実態調査

2022年11月18日

■ 学会名
第27回日本薬剤疫学会学術総会

■ 発表日
2022/11/18

■ 筆頭演者
座古梨央
慶應義塾大学薬学部 医薬品開発規制科学講座

■ 共同演者
原梓、汐月雄一、漆原尚巳
慶應義塾大学薬学部 医薬品開発規制科学講座

■ 発表形態
口頭

■ 要旨
【目的】妊婦における抗精神病薬の使用実態を明らかにする。

【方法】2014年4月~2021年8月に妊娠転帰(生産/流産・死産)を特定するアルゴリズムにより特定された妊娠を、調査対象とした。各妊婦の妊娠転帰日(出産日または流産・死産の発生日)及び妊娠開始日は、既報論文等を参考に推定した。対象薬は抗精神病薬とし、妊娠期間(前期・中期・後期)及び妊娠前後における対象薬処方エピソード数・割合を算出した。

【結果と考察】妊娠転帰が生産の妊娠は18,035件、妊娠転帰が流産・死産の妊娠は9,391件、のべ27,426件の妊娠が特定された(妊娠転帰時平均年齢:33歳)。抗精神病薬処方割合の推移は、妊娠初期(0.69%)から妊娠中期(0.47%)にかけて減少し、妊娠転帰日以降(1.19%)は増加した。初期ではアリピプラゾールが最も多く処方され、中期以降では中断される傾向がみられた。初期から中期にかけての減少は、妊娠発覚を契機に、薬を中断した可能性が考えられる。