乳房針生検と吸引式乳房組織生検における後出血発生の比較―大規模診療データベースを用いた傾向スコア解析―
2022年11月12日
■ 学会名
日本臨床疫学会第5回年次学術学会
■ 発表日
2022/11/12
■ 筆頭演者
小西孝明¹,²
1) 東京大学乳腺内分泌外科
2) 東京大学臨床疫学・経済学
■ 共同演者
大野幸子³、岡田啓⁴、松居宏樹²、田辺真彦¹、瀬戸泰之¹、康永秀生²
1) 東京大学乳腺内分泌外科
2) 東京大学臨床疫学・経済学
3) 東京大学イートロス医学講座
4) 東京大学糖尿病・生活習慣病予防講座
■ 発表形態
ポスター
■ 要旨
乳房内に悪性を疑う病変がある際には乳房針生検(CNB)あるいは吸引式乳房組織生検(VAB)を行うことが推奨されているが、その背景や後出血の差異は明らかではなかった。
本研究では大規模診療データベースにおいてCNB29,996例とVAB4,292例を同定し、まず背景因子を多変量ロジスティック回帰によって比較した。CNBと比較してVABは経年的に増加傾向にあり、施行前に乳癌や微細石灰化と診断されている場合に選択されていたが、高齢患者やクリニックでは施行されにくい傾向があった。次に、背景因子を調整した傾向スコアマッチング(0.02% vs. 0.37%, p<0.001)とoverlap weighting(0.10% vs. 0.37%, p<0.001)のいずれの解析でも、VABで有意に後出血が多いことを示した。