腰椎椎間板ヘルニアに対する早期手術と術後オピオイド系鎮痛薬処方期間との関連
■ 学会名
第29回日本脊椎・脊髄神経手術手技学会
■ 発表日
2022/09/02
■ 筆頭演者
本田哲
群馬大学整形外科
■ 共同演者
飯塚陽一¹、三枝德栄¹、高澤英嗣¹、石綿翔¹、友松佑介¹、伊藤俊介¹、猪俣和弘¹、高倉健太¹、筑田博隆¹
1)群馬大学医学部附属病院整形外科
■ 発表形態
口頭
■ 要旨
腰椎椎間板ヘルニアに対する早期手術が術後オピオイド系鎮痛薬の処方期間を短縮させるかを検討することを目的として、2015年4月から2020年11月までにDeSCデータベースに登録された18歳以上の腰椎椎間板ヘルニア患者のうち、少なくとも2週間以上経過してから腰椎椎間板摘出術を行なった患者を対象とした。
診断後90日以内手術(早期手術群)と、90日以降手術(待機手術群)で傾向スコアマッチングを行い、多変量Cox比例ハザード分析および3次スプライン曲線を用いて、手術時期における術後オピオイド系鎮痛薬処方終了までの期間を比較検討した。
1,597例が抽出され、807例(51%)が早期手術群であった。傾向スコアにより465組がマッチされた。早期手術群で、術後3ヶ月時点のオピオイド系鎮痛薬処方割合は有意に低く(28% vs. 48%, percent difference -20%, p < 0.001)、オピオイド処方終了までの期間はハザード比3.13(95%信頼区間 1.97–4.97, p < 0.001)と有意に短かった。3次スプライン曲線の結果からは、ハザード比は単調に減少し、診断後111日目以降の手術で0.50を下回ることがわかった。早期手術、とりわけ診断後90日以内の手術は、術後オピオイド系鎮痛薬の処方期間短縮と関連があった。
手術後のオピオイド系鎮痛薬の処方期間を考慮した場合、診断後およそ4ヶ月以内に手術を行うことが望ましいことが示唆された。