関節リウマチ患者を対象とした経口JAK阻害剤のリアルワールドデータに基づく安全性プロファイルの検討

2023年2月10日

■ 学会名
日本臨床試験学会第14回学術集会総会

■ 発表日
2023/02/10

■ 筆頭演者
田中大輔
東京大学大学院医学系研究科

■ 共同演者
小出大介¹、松山裕¹、大庭幸治¹
1) 東京大学大学院医学系研究科

■ 発表形態
口頭

■ 要旨
関節リウマチの治療薬のうち、2013年以降に登場した経口JAK(Janus kinase: ヤヌスキナーゼ)阻害剤は高い有効性を示す一方で、安全性に関する情報は十分に蓄積されていない。
本研究では、大規模レセプトデータベースを用いて、経口JAK阻害剤もしくは生物学的製剤のいずれか一方のみを使用した患者集団における有害事象の発現率の比較を行った。

経口JAK阻害剤群822名、生物学的製剤群8,722名の解析対象集団において、100人年あたりの発現率は (生物学的製剤, 経口JAK阻害剤) の順に、悪性腫瘍 (1.94, 1.18) 、重篤な感染症 (5.37, 6.23) 、帯状疱疹 (0.97, 3.14) であった。

年齢・性別・初回投与時点での併用薬を調整した生物学的製剤に対するJAK阻害剤のハザード比は、悪性腫瘍(HR = 0.59, 95%CI (0.30, 1.15) )、重篤な感染症(1.02 (0.78, 1.33) )、帯状疱疹(2.87 (1.95, 4.23) )であり、JAK阻害剤群で帯状疱疹の発現率が有意に高いことが示された。