特定健診における動脈硬化性疾患発症リスク予測モデルの評価可能性: 大規模健診・医療レセプトデータベースを用いた検討
2023年3月4日
■ 学会名
第24回日本健康支援学会学術大会
■ 発表日
2022/03/04
■ 筆頭演者
本田貴紀
九州大学大学院医学研究院
■ 共同演者
陳 三妹²、石田有紀³、木村安美⁴、吉田大悟⁵、二宮利治¹
1)広島大学大学院医系科学研究科
2)久留米大学文学部
3)広島修道大学健康科学部
4)福岡看護大学大学院看護学研究科
5)九州大学大学院医学研究院
■ 発表形態
口頭(オンライン)
■ 要旨
動脈硬化性疾患(ASCVD)発症リスク予測モデルや『久山町スコア』に関して、実臨床においてどの程度簡易に評価が可能であるか、十分に検討されていない。本研究では、DeSCデータベースに含まれる対象者のうち、2015年から2020年に1回以上の特定健診を受診し、虚血性心疾患・脳卒中のない529,802名を対象者として、ASCVD発症リスク予測モデルならびに久山町スコアの欠測頻度を評価した。
ASCVD発症リスク予測モデルの項目に欠測値が含まれる者の割合は20.4%であった。項目ごとの欠測頻度は、運動習慣がもっとも多く20.1%であった。糖尿病・腎臓病のない470,762名において、久山町スコアが欠測である割合は0.2%であった。
本研究から、ASCVD疾患発症リスク予測モデルに含まれる項目は、運動習慣を除いて、ほとんど欠測なく評価が可能であることが明らかとなった。運動習慣の設問について欠測を減らす取り組みが期待されるほか、糖尿病・腎疾患のない者では、久山町スコアでの代替が有効であると考えられた。