レセプトビッグデータを用いた妊娠後骨粗鬆症の実態の解明
2023年6月1日
■ 学会名
第96回日本内分泌学会学術総会
■ 発表日
2023/06/01
■ 筆頭演者
小泉実幸
奈良県立医科大学 糖尿病・内分泌内科学講座
■ 共同演者
西岡祐一¹,²、紙谷史夏¹、中島拓紀¹、森田えみり²、久保慎一郎²、明神大也²、榑松由佳子¹、岡田定規¹、野田龍也²、今村知明²、高橋裕¹
1) 奈良県立医科大学 糖尿病・内分泌内科学講座
2) 同 公衆衛生学講座
■ 発表形態
口頭
■ 受賞名
優秀演題賞(「愛・内分泌」賞)
■ 要旨
【背景】妊娠後骨粗鬆症の病因や疫学の多くは不明でガイドラインも存在していない。
【目的】レセプトビッグデータを用いて妊娠後骨粗鬆症の実態を明らかにする。
【方法】800万人規模のDeSCデータベースを用いて、妊娠1年前から産後2年の期間観察されていた人を対象に妊娠群の解析を行った。出産日を妊娠群の年齢と定義し、アウトカムは脆弱性骨折(大腿骨近位部、椎体、上腕骨、前腕遠位端骨折)の発症とした。
【結果】椎体骨折が主で、妊娠前2年間の骨折リスクと比較して、妊娠後期の増加はなく産後6ヶ月間で有意に増加した。続発性が9.8%を占め下垂体機能低下症、甲状腺機能亢進症が多く認められた。妊娠中の薬物療法例はなく、産後6ヶ月間においても約70%はなされなかった。
【考察】妊娠後骨粗鬆症は「産後6ヶ月以内に発症する椎体骨折を主病変とする疾患」と定義づけられる可能性がある。