レセプトデータベースを⽤いた⾻粗鬆症治療薬と脆弱性⾻折発⽣率の関連

2023年11月1日

■ 学会名
第82回日本公衆衛生学会総会

■ 発表日
2023/11/1

■ 筆頭演者
嶋田里香¹
1) 奈良県立医科大学公衆衛生学講座

■ 共同演者
西岡祐一¹,²、竹下沙希¹、明神大也¹、野田龍也¹、今村知明¹
1) 奈良県立医科大学公衆衛生学講座
2) 奈良県立医科大学糖尿病・内分泌内科学講座

■ 発表形態
ポスター

■ 要旨
【目的】骨粗鬆症治療薬が骨密度ではなく骨折発生に与える影響はあまり明らかになっていない。本研究は、代表的な骨粗鬆症治療薬が単剤処方された場合の脆弱性骨折発生の実態を調査することを目的とした。
【方法】本研究の対象薬であるビスホスホネート薬(=BP薬)、選択的エストロゲン受容体調整薬、抗スクレロスチン抗体薬、抗RANKL抗体薬、副甲状腺ホルモン薬のいずれか1種類のみを処方された患者を対象とし、性年齢を共変量、対象薬処方以後の初回の脆弱性骨折をアウトカムとしたロジスティック回帰分析を行った。
【結果】BP薬処方群をベースとした性年齢調整後の骨折オッズ比は、上記の順に0.76(0.72-0.81)、0.83(0.76-0.91)、0.79(0.75-0.82)、1.71(1.64-1.78)であった。
【結語】骨折発生の結果は、SERMは比較的軽度の骨粗鬆症、PTH薬は骨折ハイリスクの患者に使用されるなど、対象の患者背景による影響を受けている可能性が考えられるため、骨折既往やBMI、喫煙、飲酒、骨折家族歴、ステロイド服用、慢性腎臓病既往といった交絡因子で調整した結果と違いが出るかどうかを確かめていきたい。