入院者や通院者でない被保険者における健診後の受診に関する記述疫学研究
2024年10月31日
■ 学会名
第83回日本公衆衛生学会総会
■ 発表日
2024/10/31
■ 筆頭演者
西岡祐一¹
1) 奈良県立医科大学 公衆衛生学講座
2)奈良県立医科大学付属病院 糖尿病・内分泌内科
■ 共同演者
森田えみり¹、竹下沙希¹、玉本咲楽¹、明神大也¹、野田龍也¹、今村知明¹
1) 奈良県立医科大学 公衆衛生学講座
■ 発表形態
ポスター
■ 要旨
我々は健康診査(健診)後の医療機関受診の効果について、特に収縮期血圧や拡張期血圧が高い者ほどその効果(心血管疾患減少効果)が高いことを示し、第82回日本公衆衛生学会で発表した。一方、その分析の過程で受診勧奨されているにもかかわらず医療機関を受診していない者が少なくないことも改めて示された。日常診療においても健診で指摘されていたにもかかわらず早期の医療機関受診に繋がっていない症例も散見される。そこで本研究では、健診事業の効果を高めるための受診勧奨の基礎資料として、健診で受診勧奨された者を対象にその後の医療機関受診の状況を記述することを目的とした。LDL高値で受診勧奨を受けた者のうち43%が医療機関を受診しておらず、そのうち73%が前回の健診でも受診勧奨を受けていた。他の項目についても40~45%が受診勧奨を受けても医療機関を受診しておらず、そのうち43~69%では前回の健診でも受診勧奨を受けていた。健診で受診勧奨された者についてその後の医療機関受診の状況を調査し、健診後の医療機関受診の実態を明らかにした。特に複数年受診勧奨を受けても医療機関受診に繋がっていない症例が相当数存在しており、健診事業等における大きな課題の1つであると考えられた。
