ESA製剤またはHIF-PH阻害薬開始時の鉄関連マーカー測定の遵守割合
2025年6月21日
■ 学会名
第68回日本腎臓学会学術総会
■ 発表日
2025/06/21
■ 筆頭演者
宮本 佳尚¹
1) 東京大学 リアルワールドエビデンス講座
■ 共同演者
岡田 啓²、笹渕 裕介¹、南学 正臣³、康永 秀生⁴
1) 東京大学 リアルワールドエビデンス講座
2) 東京大学 糖尿病・生活習慣病予防講座
3) 東京大学 腎臓・内分泌内科
4) 東京大学 臨床疫学・経済学教室
■ 発表形態
口演
■ 要旨
2020年よりHIF-PH阻害薬が保存期CKD患者の腎性貧血治療薬として使われる。2020年9月に日本腎臓学会から出版されたHIF-PH阻害薬適正使用に関する recommendationでは、鉄代謝関連マーカー(血清鉄、フェリチン、TIBCまたはUIBC)の測定が推奨されるが、実態は不明である。レセプトデータを含む商用データベース(DeSC)から2018年1月から2021年12月の間に,はじめてESA製剤またはHIF-PH阻害薬の処方のあった患者における、当該薬処方前90日以内の鉄代謝関連マーカーを測定された割合を推定した。さらに鉄代謝関連マーカー測定と関連する因子(処方年、男女、保険、ESA/HIF-PH阻害薬のどちらか、医療機関の特性)を探索したESA使用者58514人とHIF-PH阻害薬使用者5620人を同定した。血清鉄・フェリチン・TIBCまたはUIBCのすべてが測定された割合は、2018年の35.0%から2021年の36.7%に増加した。測定に寄与した因子として女性(vs.男性。調整後リスク比 1.04、以下同様)、大学病院、DPC病院、その他の病院(vs. 診療所。2.59, 2.15, 1.47)、HIF-PH阻害薬(vs. ESA製剤。0.93)を認めた。
