本邦レセプトデータを用いたクローン病新規発症例に対する分子標的薬による診療実態の発症年齢別解析
■ 学会名
第15回日本炎症性腸疾患学会学術集会
■ 発表日
2024/11/15
■ 筆頭演者
諸井 林太郎¹
1) 東北大学病院 消化器内科
■ 共同演者
角田 洋一¹、岩城 英也¹、永井 博¹、下山 雄丞¹、志賀 永嗣¹、正宗 淳¹
1) 東北大学病院 消化器内科
■ 発表形態
口頭発表
■ 要旨
【背景・目的】本邦のクローン病(CD)診療において、分子標的薬(MTD)が広く使用されているがその実態は不明な点が多い。リアルワールドデータとしてレセプトデータを用い、上記実態を明らかとすることを目的とした。
【方法】DeSCヘルスケア社から提供されたデータセットを用い、CD新規発症例を抽出し、発症年齢により小児発症(15歳以下):P群、高齢発症(16~64歳):E群、非小児・非高齢発症(65歳以上):NPNE群の3群に分類した。発症後の累積MTD非使用率、最初に使用した各MTDの累積継続率をKaplan-Meier法で算出、比較した。Top down療法、Step up療法の比率を算出、比較した。
【結果】データセットから6207名のCD患者が同定され、新規発症例は1084名であった。発症5年後の累積MTD非使用率は58.8%であり、発症年齢別ではP群18.4%、NPNE群50.4%、E群80.6%(P<0.0001)であった。各年齢群で最初に使用したMTDの累積継続率については薬剤間の差はなかった。全体のTop down療法とStep up療法の比率はそれぞれ52.4% vs 47.6%であり、年齢別では、P群:81.6% vs 18.4%、NPNE群:62.8% vs 37.2%、E群:25.6% vs 74.4%であった(P<0.0001)。最初のMTDは、P群では抗TNFα抗体製剤が93.6%、NPNE群では抗TNFα抗体、Ustekinumabがそれぞれ76.8%、19.6%、E群ではVedolizumabが23.64%と群間差があった(P<0.0001)。
