虚血性脳卒中患者による同一医療機関への再入院に関連する因子の検討
■ 学会名
日本社会薬学会第44年会
■ 発表日
2026/09/12
■ 筆頭演者
吉川文野¹
1) 昭和医科大学 薬学部 社会健康薬学講座 薬剤疫学部門
■ 共同演者
谷 拓朗²、池谷 怜²、今井 志乃ぶ²
2) 昭和医科大学 大学院 薬学研究科 薬剤疫学分野
■ 発表形態
ポスター
■ 要旨
【目的】 我が国において虚血性脳卒中退院後の再入院予防は急務であるが、全国規模での再入院率や再入院先(同一医療機関か他医療機関か)の選択に関連する因子の検討は十分ではない。本研究は、DeSCデータを用い、再入院リスクに関連する因子を特定するStep 1と、再入院群における「同一医療機関への再入院」に関連する環境因子を特定するStep 2の2段階のアプローチにより、我が国の再入院における医療体制の特徴を明らかにすることを目的とした。
【方法】 DeSCデータを用い、2014年4月から2024年3月までに虚血性脳卒中で入院した18歳以上100歳未満の患者を対象とした。「退院後8日から180日以内の2回目の入院」を再入院と定義した。
Step 1では、対象患者137,507名に対し、患者・治療因子を変数とした多変量ロジスティック回帰分析を行い、再入院リスク因子を検討した。 Step 2では、再入院患者34,875名に対し、患者・治療因子を調整した上で、患者と医療機関の階層性を考慮したマルチレベル多変量ロジスティック回帰分析により、同一医療機関への再入院に関連する環境因子を検討した。
【結果】 Step 1において、180日再入院率は25.55%であった。再入院のリスク因子として、男性、高齢、15日以上の長期在院、各種併存疾患、救急医療管理加算あり、多剤併用等が特定された。
Step 2において、再入院者のうち「同一医療機関への再入院」は52.42%であった。同一医療機関への再入院を促す因子は、DPC特定病院群およびDPC標準病院群、北陸地方であった。他医療機関への再入院を促す因子は、紹介状あり、九州地方であった。
【考察・結言】 基礎疾患のコントロールやポリファーマシーの是正が再入院予防において重要である。また、同一医療機関への再入院には病床数や介護施設の数等の医療資源の量や紹介状を通じた地域連携システムが関与していること可能性があると考えられた。誰もが一貫した継続的医療を受けられる体制構築に向け、適切な資源配分と連携体制の整備が不可欠である。
