レセプトデータを用いた感染症の受療率推計 コロナ禍前後の比較

2022年10月8日

■ 学会名
第81回日本公衆衛生学会総会

■ 発表日
2022/10/08

■ 筆頭演者
池田 俊也
国際医療福祉大学医学部 公衆衛生学

■ 発表形態
口演

■ 要旨
本研究では、DeSCヘルスケア株式会社より提供されたレセプトデータベースを用いて、RSウイルス感染症、ノロウイルス感染症、無菌性髄膜炎、ロタウイルス感染症、帯状疱疹の外来初診受療率の推計を行い、コロナ禍前後での比較を行った。

その結果、RSウイルス感染症では2019年以前は冬季にピークが認められていたが、2020-21年の冬季にはピークが認められなかった。ノロウイルス感染症に季節変動とともに経年的な減少傾向が認められ、2020-21年の冬季にはピークが認められなかった。ロタウイルスでは2010年以前は毎年4月ごろにピークが認められていたが、2021年にはピークが認められなかった。

これらの感染症でコロナ禍以前と以降での受診状況が異なっていた要因として、コロナ感染拡大による受診抑制、マスクや手指消毒の励行による感染の減少、ロタウイルスについてはワクチン接種の効果などが考えられた。無菌性髄膜炎については受診患者数が少ないことから、傾向を読み取ることは困難であった。